ディジタルアーカイブの長期利用に関するシンポジウム

3/14(金),筑波大学まで行って来ました.IPSJの全国大会が開催されており,活気を帯びていましたが,学び舎は古くなり,やや疲れた感じがしました.

お目当ては以下のシンポジウム.

ディジタルアーカイブの長期利用に関するシンポジウム

プログラム

13:00 - 15:00 講演
  • Short Introduction, Heike Neuroth (Goettingen State and University Library, Max Planck Digital Library Berlin)
  • Organizational Issues: Trusted Repositories/Archives, Policy. Stefan Strathmann (Goettingen State and University Library)
  • Technical Issues: kopal, repository systems, ingest, validation. Heike Neuroth
15:30-17:00 ディスカッション(ラウンドテーブル)
  • ゲッチンゲン大学+国立国会図書館+国立公文書館+筑波大
後半のディスカッションが見所かと思いますが,ディスカッション前の休憩時間に恩師を訪ねたのが運の尽き.久しぶりの再開に話が弾んでしまい,後半まるごとブッチしてしまいました.何しに筑波まで行ったんだか...ま,恩師の元気な姿が見れたから良しとするか.

なので,今回の投稿は前半部のみです.

Short Introduction, Heike Neuroth (Goettingen State and University Library, Max Planck Digital Library Berlin)

Organizational Issues: Trusted Repositories/Archives, Policy. Stefan Strathmann (Goettingen State and University Library)

Technical Issues: kopal, repository systems, ingest, validation. Heike Neuroth
  • 当面の課題
    • ディジタル情報は元来複雑
    • 個人の要求は全く異種
    • 一般的な品質の評価基準は抽象的
    • フレームワークは実装レベルと程遠い
    • リポジトリソフトは複雑
    • システムの品質は個々の設定に大きく依存する
    • 製品のドキュメントは依然問題
  • Decision Process
    1. 参照モデル,技術,ユースケースから評価基準カタログ(Criteria Catalog)を作る.
    2. 市場のアーカイブ製品を調べる.
    3. 1,2をRatingし,製品比較を行い,ランク付けをする.
    4. 3と併せて個々の要求分析等を行い,
    5. 製品を選定する
  • 評価カタログの詳細(やや手抜き)
    • カタログ構造
    • 一般的な属性
    • 機能的な属性(取り込み,アクセス,ストレージ,アドミン)
    • 非機能的な属性(コスト,品質)
  • 具体例

前半戦 質疑
[Q]アーカイブへの多様なアクセスはどう考えている?
[A]アーカイブ用とアクセス用は分けて考えたほうが良い.

[Q]州と大学の図書館ということだが,州図書館としての役割は?(リポジトリシステムの中には高いものもある.)
[A]システム導入時のコンサルティング代行,システムレンタル等の運用を通して市町村等予算の少ない図書館のサポートができたら良いと考えている.

[Q]TRAC,DRAMBORA,nestorの違いを教えて欲しい.
[A]nestorとTRACは自己評価用.DRAMBORAはリスク評価用.

[C]ディジタルアーカイブは,評価・選別・廃棄のサイクルが大事.永久に残すものとそうでないものに分ける必要性を感じた.

[Q]アクセスフォーマットはネットワークのものとアーカイブのものは異なるのか?
[A]異なる.例えば,原本はtiffで,公開はjpgで,のように.

[Q]原本をサポートするツール(読みづらい昔の文字を現代の文字に変換するスクリプトのようなもの等)を用いる場合があるが,これもアーカイブの対象か?
[A]対象だ.ただし,原本とツールは異なることを理解する必要がある.


後半のディスカッションの前に,国立国会図書館のディジタルアーカイブの話と国立公文書館のディジタルアーカイブの話があったかと思われます(資料は手元にある).しかし,先の説明の通り,講演を聞いていないので,今回は割愛させて頂きます.

ETV特集「フィールドへ異文化の知をひらく」を見る

先ほど,国立民族学博物館文化人類学に関するテレビ番組を見ました.


直接的に博物館情報学とはリンクしないかもしれませんが,異文化/多文化を理解し,共生するための手法である「文化人類学」は,様々な異種データ群をメタデータを介して交換・統合していく世界と似たものを感じ,またそういう世界は博物館情報学の一側面であると感じたので,エントリしてみます.

残念ながら,途中(22:30くらい)からの視聴なので,前半部はどういう放送だったのかわかりません(^^; 以下,後半部のまとめです.

■研究する側される側の関係
  • 例1:アイヌの踊り(=文化)を博物館を介して発信する.
  • 例2:ペルーの博物館は日本人が建てて,運営は地元の人.
  • 遺物(の意味)とは,語り/昔の言い伝え/地元の人々の記憶等との併せて考えるもの.また,その活用も大事.
  • 風土を作るには,土の人(→地元民)と風の人(→旅人)がお互いにいい影響をしあうことが大事.
  • 他者との関係・認識のあり方は,対話・時間と空間の共有を通して少しずつ変わっていくしかない.
■異文化理解・多文化共生を深めるには
  • 松園さん
    • 文化人類学者は土地に入り,土地の人達とともに生活をする.最初は土地のことがよくわからないが,だんだん分かってくる.謎解きの面白さのように,忍耐強く,人に寛容である必要がある.
  • 鷲田さん
    • 異文化理解や多文化共生には,他者と考えや気持ちが同じになるということではない.むしろ,交われば交わるほど,お互いの差異が際立ってくる.そしてその事実を受け入れることが大事.フィールドワークを通して,他者の世界観を身体的な感覚で汲み取ろうとするのは重要なこと.
  • 関野さん
    • 文化相対主義とは,上下関係ではなく,文化を相対的に見るもの.
  • 松園さん
    • 多文化共生への努力は,様々な味付けの料理を食べられるということ.

■広がる研究フィールド
  • 例1:タイ・ランプーンにおける日本文化とタイ文化の比較,平井京之助さん
    • 1980年末に日本企業のエレクトロニクス関係の工場ができたことによる,周辺地域への影響について調査.
    • 異文化が地域に与える影響(いい面も悪い面も含めて)を調べることで,双方が良くなる手助けをする.
    • グローバル化→文化人類学のフィールドの広がり→調査対象と研究対象/内容が広がる.
  • 例2:パプアニューギニアの津波(1998)と新潟県中越沖地震(2004)を通した,災害の復興調査,林勲男さん
    • パプアニューギニア津波では,支援がNGOの名声のために利用されたり,パプアニューギニア文化を無視した支援が一部であった.
    • 新潟では,被災者個々人の思いを聞いて回り,体験記録集の作成した.このような記録は震災の教訓・知恵を次の世代に伝える手助けとなる.
    • ネットワーク作りの大切さ:地元外NGO+地元=復興の企画等(震央米).
    • 林氏の目指すところ
      • 防災を含めた人々の安全な暮らしの確保を考える.
      • 行政,ボランティア,研究等様々な立場の人が知恵を出し合って取り組む分野.
      • 文化人類学的には,災害現場の状況理解をまとめ,次世代に伝えることが大事.
  • 例3:医療分野や開発協力への適応,白川千尋さん
    • マラリアの感染には有効予防接種がないので,蚊帳が有効だが,現地では多くの人が蚊帳を使ってくれなかった.
    • 蚊帳を配るだけでなく,それを使ってもらえるような方策を考えることが大事.
    • 現地には多様なニーズがある.それにあったきめ細かいサポートを提供するため,対象者のありようをきめ細かく見ておく必要がある.ここで文化人類学的な視点が重要で,「開発人類学」が形成されつつある.
    • 開発を成功させるためのブローカーになるのではなく,以下が大事.
      1. 地域の社会情報・文化情報を提供し,
      2. 常識を別の角度から見直して相対化する.
■文化人類学の課題
  • 鷲田さん
    • 今の文化人類学
      • グローバル化→複雑なファクター/コンテキストが絡み合っている.
      • コンテキストの多層性・多次元性→文化を多元的に調べる.
    • この状況で,文化人類学は野生的でなくなってきた.
  • 松園さん
    • 文化人類学は長い歴史の中で全体として人間を見る.現代は対象の外から様々な要素が入り込み,対象が複雑になっている.その状態で文化人類学者は刻々と移り変わる対象に目を奪われ,長いスパンで考えられにくくなってきている.これは問題だ.
  • 鷲田さん
    • そうは言っても,複雑性への感覚はスゴイ.繊細なコンテキストへの意識はスゴイ.
  • 関野さん(まとめ)
    • 人間とは何か,私とは何か.
    • 世界中にくまなく広がり,環境の中・文化の中で人間とは何かを明らかにする.
    • 環境/紛争/資源等々の問題にも文化人類学的手法は有効.

参加シンポジウム等の整理

年度末ですし...

2003年末頃から参加した研究会やシンポジウムをピックアップしてみました.

当時のメモを元に,ヒマを見ては詳細や私見を公開して行こうと思っています.アップは当時の日付に併せて行うと思いますので,都度新しいエントリとしてご紹介します.

既にこのblogで紹介したイベントに関しては,ここのblogのリンクを貼っています.

■2004年■2005年
■2006年
■2007年
■2008年

あれ...なんかもっといろいろ参加した気がするんだけどなぁ...

画像電子学会 第6回 画像ミュージアム研究会

2008/2/29(金),画像電子学会の第6回 画像ミュージアム研究会(pdf)に行って来ました.

発表は4件と少なめながら,非常に有意義な議論に参加することができました.

以下,参加レポです.

※レポはryojin3の所感であり,講演者の意見・意図が100%反映されているとは限りません!その点ご注意くださいませ.

※今回は,有料の研究会だったため(資料代なので問題ないとは思いますが),内容については簡単にしか書いていません.詳細は画像電子学会Webサイトもしくは研究会Webサイトでご確認下さい.情報があまりないかもしれませんケド...



報告
  • タイトル:Font Museumの公開
  • 著者(○は発表者):○長村玄,小町祐史,上村圭介:情報規格調査会 SC34/WG2小委員会)

  • Font Museumについて.その問題意識や意義について.
    • 実際の活字の収蔵の問題
    • 活字のディジタル化の問題
    • ディジタル化することによる著作権の問題
    • ビジネスの方向性,等



報告
  • タイトル:進化計算アルゴリズムの視覚化と展示への応用
  • 著者(○は発表者):○田島悠史,桐山孝司:東京芸術大学大学院映像研究科




報告
  • タイトル:土器画像検索システムと展示への応用の検討
  • 著者(○は発表者):○茂呂優太,徳永幸生,杉山精:芝浦工業大学

  • 以下の超2次関数を使って,土器画像から特徴パラメータを取得し,補助パラメータ(ここでは省略)と合わせて土器画像を分類検索するシステム.
  • 上式において,各記号は以下を表す.
    • a1,a2,a3 は xyz 各軸における長さ
    • ε1,ε2 は xz・xy 各平面における角張り具合
    • k1,k2 は z 軸方向の先細り度合い
    • y = 0 として上式を使用している.
  • この式は,国立歴史民俗博物館の土器画像 200 枚に適用.
  • ペン入力やテンプレートを選択できるような UI を用意し,入力値と特徴を比較,適合結果を返す仕組み.
  • 国立歴史民俗博物館企画展示「弥生はいつから!?」で実証実験.
  • アンケートで評価.



報告
  • タイトル:部分的分類知識の統合による博物館情報の横断検索の提案
  • 著者(○は発表者):○山田 篤,小町祐史,安達文夫:京都高度技術研究所,大阪工業大学,国立歴史民俗博物館
  • 博物館同士の情報交換(横断検索)が目的.
  • 各館の分類知識を統合するポータルサイトを作って検索するのが望ましい.
  • 各館の分類知識の統合方法は,
    • 特定ジャンルの複数のコレクションに含まれる資料名称をもとに,分類語彙を設定.
    • 分類語彙中,他のコレクションと共通で現れた語がキー.
    • コレクション同士の類似度は以下の式で計算する.
      • AとBの共通語彙数×2 ÷ (Aの語彙数+Bの語彙数)
  • 類似度から見えてくるコレクションの関係を分析.
  • 今後は,分類知識の修正や更新の仕組みや,具体的な横断検索の仕組みを検討.

東博公開研修会「ミュージアム情報の制作・管理・活用」

東京国立博物館の公開研修会「ミュージアム情報の制作・管理・活用」に行って来ました.

閉会の挨拶で,地味なタイトルながら非常に骨太な議論ができたのでは,みたいなことを聞き,まさにその通りだと実感しました.

以下,参加レポです.

※レポはryojin3の所感であり,講演者の意見・意図が100%反映されているとは限りません!その点ご注意くださいませ.



基調講演
  • 題目:情報で活きるミュージアム
  • 発表者:笠羽晴夫氏(財団法人デジタルコンテンツ協会 研究主幹)


1.デジタルアーカイブの歴史
  • 1990年代初頭の電子博物館・電子美術館・電子図書館とマルチメディアの話から,現在のネットワーク環境での情報蓄積公開についての概論.
2.これからのデジタルアーカイブ





報告
  • 題目:ミュージアム情報と学芸業務
  • 発表者:村田良二氏(東京国立博物館 情報課 研究員)

1.資料DBと学芸業務について
  • 学芸業務において,資料DBはその根幹をなすDB.ところが,DBのデータ入力の難しさは以下のデータが物語っている.
  • 平成19年の文化庁調査によれば,公立博物館の所蔵資料と学芸員数の中央値は6000点/3人.更に細かく分類すると,以下のようになる.
    • 総合博物館 30000点/5人
    • 歴史系博物館 12000点/4人
    • 美術館 1626点/3人
  • また,常設展の展示の平均値は以下のようになる.
    • 総合博物館 1000点
    • 歴史系博物館 446点
    • 美術館 275点
  • 作品に係る学芸系業務
    • 受け入れ,調査研究,展示,修理,貸借等.
  • 相補的関係
    • 収蔵品DB→データ活用→業務がスムースに進行する.
    • 業務中→記録の蓄積→収蔵品DBが豊かになる.
  • 収蔵品DBの問題
    • 「古い貧弱なデータ」は「使われない」→悪循環.
  • 収蔵品DBの活用
    • 「最新の充実したデータ」は「積極的活用」される→好循環.
    • 定型的作業の軽減=システムを使うと楽になる!はインセンティブ.
    • コピペを減らす.
    • 予定履歴管理は作品ごと,時期ごと,展示室ごと,,など様々な角度から見たいので,,,一元管理.
2.業務プロセスの分析
  • 具体的に収蔵品DBを活用するためには業務プロセス分析が重要.
  • ラフなBPM(Business Process Modeling)の活用.
    • 共通要素
      • 期間,場所,関係者 → 全て収蔵品DBに関連する.
    • 計画の進行
      • 計画から変更や破棄まで含めた業務のライフサイクルの把握.
  • 共通要素(現在取り組んでいるもの)
    • 一覧と検索
    • リスト編集
    • プロセス管理
    • 定型文書出力
    • これらを実装したシステムのデモ
3.システム構築の実際
  • インセンティブがないと,利用者は使わない.
  • 段階的な構築が大事.
    • 無理のない移行(慣習の尊重,学習障壁の低減)
    • 身近な(適切な)目的設定(期待感)
  • 技術的課題
    • モジュール化→APIの公開とか,Webサービス or SOA→他館との連携等.
    • URLの適切な利用.
    • データ参照はgetをもっと活用すべき.





報告
  • 題目:デジタル画像情報の基礎
  • 発表者:鈴木卓治氏(国立歴史民俗博物館 准教授)
1.画像の基本
  • 画像の基本的な話.
  • 最近は光の定義として,sRGBが一般的らしい.
  • よく記録媒体の寿命が議論されているが,フォーマットの寿命のほうが致命的で大問題だ.
2.デジカメの基本
  • デジカメのCF配列は,RGBかCMYが基本.
3.おまけ
  • マクベスのカラーチャートはいい.
# 他にももっと有益なことを話されていた気がしたが,メモし忘れました...




報告
  • 題目:デジタル情報管理の実務
  • 発表者:田良島哲氏(東京国立博物館 情報管理室長)

1.博物館にある非デジタル情報
  • テキスト:調書,台帳・目録,解説文・ニュースレター,紀要・報告書・図録.
  • 静止画:写真,図面・スケッチ.
  • 動画:映画フィルム・ビデオテープ.
  • 音声:オーディオテープ・レコード.
2.デジタル化のメリット
  • 処理の早さ.
  • 迅速・柔軟な検索→新たな視点による発見.
  • 蓄積が容易.
  • 流通の簡便さ.
  • 利用範囲の広さ
3.ネットワーク化のメリット
  • 情報の流通と共有が進む.
    • 情報が多くの目で評価される.新しい発見.
  • コミュニケーション環境が改善.
    • むだな連絡調整の削減.
    • 事務処理の迅速化.
    • 新たな出会い(人-人,人-モノ,モノ-モノ).
4.何故活用されない?
  • 素材が供給されない.
    • ミュージアム側の人・資金不足,技術支援がない.
  • 制作者の層の薄さ・知的力量不足.
    • 素材(文化遺産)の知名度頼り,素材の切り貼りに終わる例,コンテンツとしての魅力に欠ける.
  • 需要が起こらない(選好の対象外).
5.デジタル情報作成の基本
  • 真正性がある.
    • データの根拠を明確に.
  • 長く使える.
    • 汎用的なデータ形式,非依存.
  • できるだけたくさん.
    • 利用には品揃えが大事.
6.データ本位の情報蓄積
  • 技術に振り回されない.標準的なもの.
7.何をすればいいか
  • 手持ちの資産の棚卸し.
    • 使えるかどうかの水準把握,メタデータの把握.著作権,肖像権,パブリシティ権.
  • 機会を逃さず.
    • 予算が付いたら.
    • アプリ依存データ,事業に必要な部分的データにしか作らない(=情報の陳腐化),はダメ.
  • 日常的に.
    • 業務の中でデジタルデータ作成を組み込む.作らざるを得ない or インセンティブ.
    • 入力には知識が必要.
8.東博の事例
  • 受け入れ時に撮影(研究員)→ネット+DB→情報課で管理.





報告
  • 題目:ミュージアム・ウェブサイトの運用
  • 発表者:小林徹氏(東京国立博物館 広報室 主任)

1.東博のウェブサイトについて





報告
  • 題目:「イメージアーカイブ事業」の展開
  • 発表者:手嶋毅氏(株式会社DNPアーカイブ・コム 常務取締役)
1.DNPアーカイブコムとは
  • DNPアーカイブコムのデジタルアーカイブ
  • デジタル化は,フィルムから起こすのと,デジカメ撮影と2パターンある.
2.エージェンシーの公共/営業サービス
  • 公共的な立場として
    • 収蔵品の目録DB作成,広く無料で情報提供,国の文化資産の記録.
  • 営業的な立場として
    • 上記を達成するための資金獲得,出版社への提供,世界的に事業/技術的に優位な立場を確保.
3.欧米市場
4.その他
  • 東博イメージアーカイブは,利用形態や利用量に応じて様々な課金をする.
  • 権利のクリアランスが重要.
  • イメージを用いた様々な事業展開も行っている.





報告
  • 題目:アーカイブデータから公開コンテンツへ
  • 発表者:山崎千代乃氏(凸版印刷株式会社 文化事業推進本部デジタルコンテンツ部 課長)

1.情報の公開と利用
  • 印刷,DB+検索システム,閲覧システム,Web,メディア
  • 誰に何を何故伝えるか,で変わってくる
2.VR
  • 利点
    • 可視化,仮想体験(遺跡とか行けない場所とか)復元
    • 再現(欠損や当時の状況.データに根ざして)
3.凸版印刷のVR事業
4.TNM & TOPPAN ミュージアムシアター
最後のほうは疲れてしまってメモもだんだん適当に...




質疑
  • 東博の業務システムのコードは公開する?
    • 将来的には.まずは,業務の一般化モデル作りたい(どこかと共同研究).
  • APIのような形で公開する?
    • そのうち.前向きです.
  • 学芸員の展覧会用のtmpDBみたいなものは付けられる?
    • システムに収蔵品をまとめるリスト機能がある.これを拡張する必要がある.
  • これからのシステムはブラウザベースなの?
    • ユーザにとっては楽.外部公開でも応用できる.世の中の流れ.ただ,ブラウザはデメリットもあるので,場合によってはクライアントソフトを作る.
  • 東博はNDLの近代デジタルライブラリみたいな公開はするの?
    • 検討中.古典籍が数万のオーダーであり,かつマイクロフィルムがなくなりそうなので,デジタル化作業とインターフェースの検討中.
  • 田良島さんの発表のデジタル化で「たくさん作る」ってどういう意味?
    • モノの数が大事.利用者の選択の幅は広いほうが良い,という意味.メタデータも太っているほうがいいが,これは作るのが大変.





ここにまとめるだけでも相当時間を要しました.それだけ,議論の中身のある研修会だったのではないでしょうか.

保存科学 - Conservation Science

東京文化財研究所保存修復科学センターで研究雑誌「保存科学」を公開しています.昭和39年の創刊以来,現在までの全ての内容が公開されているようです.

以下,保存修復科学センターによる説明です.
「保存科学」では、所属研究員による文化財の保存と修復に関する科学的調査、受託研究報告などの論文報告および修復処置概方などを掲載しています。
昭和39年創刊、平成17年度は45号を発行しました。
創刊以来の全巻について、PDF版による配布サービスを行っています。
雑誌一覧はこちら→「保存科学」PDF版ダウンロード

XMLの歴史

博物館情報学の基本要素の1つにメタデータがあります.

メタデータの記述には様々なものがありますが,現状,XML(Extensible Markup Language)を用いて記述する方法が有力視されているようです.

XMLとは,データや意味の構造を記述する言語で,主にW3C(World Wide Web Consortium)というWWW(World Wide Web)で用いられる技術の標準化を進める団体が中心になって策定されています.XMLは1998年に標準化されましたが,XMLを利用するにあたり,これまで様々な派生言語が登場しています.前回のエントリで述べたRDFもその1つです.

今回は,今年10年目を迎えるXMLの歴史を,NiftyのTimelineというサービスを用いて年表にしてみました.横軸は年代,縦軸はXMLが理解しやすい?独自分類となっています.

以下,Timelineによる年表です.

# 数日前からプロットを始めたばかりで,穴だらけです.ゆっくり埋めていこうと思っています.



RDF/XML

RDF/XMLとは,RDFモデルをXMLで表現するための構文仕様を指します.RDF(Resource Description Framework)とは,Web上のリソースを表現するための枠組みのことです.Webの世界では,Web上に存在する無数の情報(=リソース)をメタデータ(情報を説明する情報,情報そのものの説明のみならず,情報間の関係記述もメタデータの一種)を用いてマシンが理解できるようにする試みが進められています.

分かりやすい例として,2004年のEric MillerのTalkがあります.

以下の図1を

図1 The current web

図2のようにしたい!


図2 The Semantic web

ということです.この例では今までは情報間にはリンク構造のみが提供され,その意味的な理解は人間が行ってきましたが,情報間にメタデータを付与することでマシンがメタデータを読み取り,情報間の関係を理解してもらおうとしています.

もちろん,マシンは人間ではありませんから,実際には理解していません.ただメタデータを用いることで利用者の意図に沿った検索結果を提示したり,利用者の理解を促す表示をしたり,そんなことができるのではないか,と考えられています.

RDFは,この情報間の関係を文の形で表現します.文の形とは,具体的には「主語」「述語」「目的語」を使って表現されます.文の形をもってリソース間の関係を表すわけです.

図で示すと,以下のようになります.



図3 A Simple RDF Statement


図3は,以下の文を表現したものになります.

  • http://www.example.org/index.html has a creator whose value is John Smith

つまり,

  • 主語「http://www.example.org/index.html」には,目的語「John Smith」という述語「作者」がいます.

という文の形でリソース関係を表しているのです(例はRDF Primerから引用しました).図ではJohn Smithの部分がhttp://www.example.org/stuffid/85740になっていますが,恐らくJohnはスタッフIDとして85740なのでしょう.

図3のようなグラフを有向ラベル付きグラフと言います.このグラフ,人間は理解できますが,ただのモデル図ですので,マシンに理解させるにはそれなりの文法で書かなくてはなりません.その文法が XML(Extensible Markup Language)です.RDFではXMLを使わなくてはならないとは言っていませんが,例示がXMLであり,事実上RDFの取り扱いにはXMLが用いられています.

XMLとは,データ構造を記述するための言語で,データにタグと呼ばれるしるしを付けていくことで構造を表現します.

図3のグラフをXMLで書き直すと以下のようになります.

<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rdf:RDF
xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
xml:lang="ja">
<rdf:Description rdf:about="http://www.example.org/index.html">
<dc:creator>John Smith</dc:creator>
</rdf:Description>
</rdf:RDF>

このXML(意味は図3のグラフや文と同じ)をマシンが読み込み,あたかも内容を理解しているかのように振舞うわけです.

さて,RDF/XMLについて,初歩の初歩を説明しましたが,CRMとの関係はどうなっているのでしょうか.

それはまた次回!

文化財防火デー

昨日,1月26日は「文化財防火デー」でした.

歴史的には,2000年にW3CがXHTML1.0を勧告した日でもありますが^^,これはさておき,各地の状況は以下のような感じだったようです.

  • Google news(142件.詳細も含めるともっと多い)

防火デーのきっかけとなった法隆寺では,以下のようなニュースが報道されています.

文化財防火デー 法隆寺で防火訓練 - MSN産経ニュース -
2008.1.26 21:18

 「文化財防火デー」の26日、59年前に金堂壁画が焼損し、記念日制定のきっかけとなった奈良県斑鳩町の法隆寺で法要と訓練があり、参加した僧侶らは、過去の惨事を風化させないよう防火への誓いを新たにした。

 この日は、大野玄妙管長ら僧侶が、再現された壁画がある金堂と、焼損当時の壁画や黒く焦げた柱が保存されている収蔵庫で読経し、再発防止を誓った。

 その後、地元の消防隊員らが境内で訓練を開始。緊迫した雰囲気の中、鏡池に向かって一斉に放水=写真、辺りは水煙に包まれていた。

他にも,厳島神社,松本城,致道博物館,下呂温泉の旧大戸家住宅,善光寺,博多の住吉神社等々,日本各地で防火訓練が行われたようです.

(自然のみならず,作為の含めて)災害による文化財の損失は,歴史的・文化的・学術的に大きな打撃となります.例えば,米国議会図書館(LC)では,災害時(主に火災)における資料の応急処置に関する情報を公開しています.


国内でも,文化財の保護を情報技術でサポートする取り組みが各種あるようです.


普通の生活でも,防災はなかなか意識して心がけできないものです(私だけ!?).ガイドラインやマニュアルを一歩踏み出して,人間の意識をふと喚起するシステムが作れないものか,考えてしまいます.

デジタルアーカイブの「標準化」に向けて -追記-

1/16に書いたデジタルアーカイブの「標準化」に向けて,@ITで記事になっていました.

@IT RFID+IC news
メタデータの標準化がカギに デジタルアーカイブとユビキタスコンピューティングの相性は

uID技術をダイレクトにデジタルアーカイブに適用するには課題が多いと感じられます.坂村先生の言うように,アーカイブは保存技術と利用技術から成り立っているとすれば,ユビキタスコンピューティングの活用は利用技術寄り.保存技術で重要となるメタデータスキーマの設計には博物館関係者の暗黙知をいかに設計に反映できるかにかかっていると思います.

少なくとも,全部の所蔵品にIDを振る,なんて無謀なことがないよう...