日本アーカイブズ学会 国文学研究資料館アーカイブズ研究系研究プロジェクト 「研究記録のアーカイブズ ―研究過程の検証と新たな情報資源化のために―」に参加してきました.
今回は場所が自宅に近いということもあり,ゆるゆるとお昼を食べてからの出陣でした.多摩都市モノレール・高松駅付近は誘致も進めているのでしょうか,国の研究機関が多く今後発展しそうな雰囲気のある場所でした.
1. 実証的社会科学研究とデータアーカイブの役割
2. 自然科学の研究記録のアーカイブ
3. 旧史料館レコーズの整理と公開について
考察
さて,今回は後半サボってしまったので,簡単に.
今回,3件中2件のお話を聞くことができました.研究プロセスも含めたアーカイブは,前向きに捉えれば至極当然・今後の2次利用を考えると重要なことかと思います.その反面,アーカイブ作業に時間やお金がかかるというのは本末転倒だと思います.
もちろんアーカイブ研究者にとってはアーカイブするという行為そのものが研究対象ですが,それ以外の専門家にとって,過程のアーカイブ作業はあくまで小コストでベストな効果が挙げられなければならない.これは別に研究に限ったではなく,仕事をしている人も,勉強をしている人も皆が考えることです.昨今lifehack等が取り上げられるのも根底にはそのような考えがあることは否めないでしょう.
そう考えると,過程アーカイブとは,いかに気にせずに大量の作業内容がアーカイブされ,かつ利用可能な状態に整理されるかを追及することがミソになるのだと思います.Lifelog研究やWebアーカイブ研究等,大量データから意味のあるデータを汲み取って整理する研究分野を Watch していくことも重要なのでしょうね.
今回は場所が自宅に近いということもあり,ゆるゆるとお昼を食べてからの出陣でした.多摩都市モノレール・高松駅付近は誘致も進めているのでしょうか,国の研究機関が多く今後発展しそうな雰囲気のある場所でした.
- 日時
- 2009年2月21日(土)13:30-17:00
- 場所
- 人間文化研究機構国文学研究資料館 2F 大会議室
- 参加
- 4~50名
- 研究過程アーカイブの重要性
- 過程を明確にすることによる,研究の不正防止
- 過程を明確にすることによる,研究の説明責任
- 過程アーカイブからの新たなテーマ創出
- 今回は,社会科学・自然科学・人文科学それぞれの「研究過程アーカイブ」について議論
1. 実証的社会科学研究とデータアーカイブの役割
- 講演者
- 佐藤博樹(東京大学社会科学研究所教授)氏
- 主旨
- 社会調査におけるマイクロデータのデータアーカイブの話
- マイクロデータとは,社会調査時の集計前のデータ.コンピュータ処理が可能なもの
- 目的
- マイクロデータのアーカイブ化・共通利用化
- 仮説検証プロセスの明確化
- 検証時間の短縮
- 若手・海外研究者向けとしても活用
- 背景
- 日本ではマイクロデータの2次利用はあまり広がっていない
- マスコミ等の企業は非公開にしたがる
- 調査会社は契約上公開できない場合がある
- 近年では個人レベル・特定分野で公開が広がってきている
- 統計法の改正(2009.04.01~)も検討要素
- SSJデータアーカイブ
- 対象データ
- 統計法でカバーされない,民間/政府寄託の調査データ
- アーカイブのメリット
- 長期保存(データを散在させない)
- メタデータ管理(調査データの活用促進)
- フィードバック(利用状況の把握と新規研究テーマの発見)
- 仕組み
- SSJDA(Social Science Japan Data Archive)が窓口
- 各研究機関からデータを寄託してもらい,SSJDAが整形保存,利用者の申請に応じてネット提供.2次利用の結果(論文等)は寄託者にフィードバックする
- データの受け入れ
- フォーマットは様々だが,SPSS等で利用できるように変換保存する
- 個人情報は秘匿処理を行う
- 海外との比較
- 欧州ではこの手のDBは作りが同じで,横断利用が容易にできる
- 海外のDBは利用料は高いが,大きな組織単位で加盟するので研究者負担は少ない
- 海外にはデータ整理を専門とするデータライブラリアンがいる
- 運営上の課題
- データ整理の専門職不足
- 予算が足りない
- アーカイブデータは寄託者の善意で成り立っている(提供が少ない)
2. 自然科学の研究記録のアーカイブ
- 自然科学系の研究記録について,定義・発生・利用等を網羅的に解説
- 研究記録の定義
- 社会的意義や思考の記録といったことも言っておられましたが,一番はやはり「実験・観測データ」?
- 研究記録はどんなところで発生するか
- 研究の現場:準備活動時・研究実施時・研究の総括/評価時
- 機関と個人:機関の公的記録・プライベートなメモ 等
- 利用
- 記録が参照されるのは検証時
- 科学の発達過程の検証
- 組織や制度の正当性の検証 等
- 問題点
- アナログとデジタルの実験・観測データはそれぞれアーカイブ手法が異なる
- 実験・観測データアーカイブから検証可能な状態に持っていく環境の整備が不十分
- アーカイブの重要性
- 大規模な実験を必要とする自然科学では,実験条件が複雑なため背景やデータ処理手法が詳細にわからないと追試しづらい.それを明確に示す過程アーカイブは必要
3. 旧史料館レコーズの整理と公開について
- 講演者
- 早めにオリオン書房に行きたかったので,ご講演が始まる前の休み時間に失礼しちゃいました.なので,メモはなしです(^^;
- 頂いた資料によると,「旧史料館レコーズ」と呼ばれる,国文学研究資料館附置史料館の文書記録の目録化と公開の経緯についてご講演があったようです.
考察
さて,今回は後半サボってしまったので,簡単に.
今回,3件中2件のお話を聞くことができました.研究プロセスも含めたアーカイブは,前向きに捉えれば至極当然・今後の2次利用を考えると重要なことかと思います.その反面,アーカイブ作業に時間やお金がかかるというのは本末転倒だと思います.
もちろんアーカイブ研究者にとってはアーカイブするという行為そのものが研究対象ですが,それ以外の専門家にとって,過程のアーカイブ作業はあくまで小コストでベストな効果が挙げられなければならない.これは別に研究に限ったではなく,仕事をしている人も,勉強をしている人も皆が考えることです.昨今lifehack等が取り上げられるのも根底にはそのような考えがあることは否めないでしょう.
そう考えると,過程アーカイブとは,いかに気にせずに大量の作業内容がアーカイブされ,かつ利用可能な状態に整理されるかを追及することがミソになるのだと思います.Lifelog研究やWebアーカイブ研究等,大量データから意味のあるデータを汲み取って整理する研究分野を Watch していくことも重要なのでしょうね.
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